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東京湾周辺のさまざまな観光スポットを取材しました。

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海ほたるPA 4F・5Fで展示中の「花いっぱい運動」千葉県立上総高校の活動を掲載しています。

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このコーナーは、毎月1回、東京湾周辺のさまざまな観光スポットをご紹介します。
近いけれどもよく知られていない東京湾の魅力を、あなたも再発見してみてはいかがでしょうか?
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君津市
文章・撮影 ありさかたみお
(このページの記事は、2003年4月に取材・掲載されたものです。)
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─名水と歴史が育んだ、久留里の銘酒
仕込みタンク
仕込タンクの中には出荷を待つ新酒が。
「杜氏さんは昨日帰ったばかりなんです」。
取材の前日、最後の火入れの作業を終えたばかりの酒蔵は、昨日までの活気を想像できないくらいに静まり帰り、その名残りは、かすかに嗅ぎ取れる甘い醸造香に残るくらい。

 城下町の風情の残る久留里近辺は昔から「名水の里」の誉れも高く、酒造の歴史も長い蔵元が集中しているエリア。
17代目の吉崎明夫さん
「いい酒ができました」17代目の吉崎明夫さん。
その中でも吉崎酒造は、「上総八蔵」と呼ばれる近隣8箇所の蔵元はもとより千葉県でも最古の歴史を持つ日本酒の蔵元。

 「今年の酒はいい出来に仕上がりました」と、吉崎酒造の17代目の当主である吉崎明夫さんは、今年の酒に自信を見せます。 地元の素材にこだわる吉崎酒造では、久留里の名水のほかに、千葉県産の酒造米「若水」を使っていましたが、今年からは同じく県産の「房の舞」に挑戦し、初めての出荷を迎えます。「市中に出回る酒が完全に新酒に切り替わるのは5月頃なので、その頃には新しい味を楽しんでいただけます」。

仕込みに使われる井戸水
仕込に使われる井戸水。
 大学卒業後、醸造試験場勤務を経て当主になった明夫さんは当時の上選、下選というラインアップから、現在の清酒「吉寿」、大吟醸「月華」など現代的な酒への変貌を図りました。その吉崎の酒は、吟醸の香 りだけに走らず、ふくよかな飲み口が際立つやわらかい味。
各種バリエーション
吟醸を中心としたバリエーション。
「久留里の軟水のおかげで、やわらかさ、やさしさが特徴の、みなさ んに合う味です」と明夫さん。
日本人の軟水を中心とした食生活に合わせやすい、懐の深い日本酒は様々なシーンで活躍してくれそうです。

 地下500メートルから汲み上げる「久留里の名水」と、千葉県産酒造米「房の舞」。地域の酒文化担い手として、地産地消をモットーにスローフードを実践しているのが吉崎酒造の自信と誇りです。
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吉崎酒造吉崎酒造
住所:千葉県君津市久留里市場102
直営店営業時間:8:00〜19:00(不定休)
TEL/FAX:0439-27-2013
蔵の見学は1週間前までに電話で予約が必要。
― “伝説の甘さ”を匠の技で再現
ITARIYA外観
ウェディングケーキ製作でもおなじみです。
 君津の市街地に店をかまえる洋菓子店「ITARIYA」が提供する上総雨城豆腐プリンは、君津特産の大豆を使用したヘルシーな洋菓子。

 種子大豆「タマホマレ」を生産する、千葉県唯一の地域である君津市の小糸川上中流。その君津市が主催する、「ふるさと産品育成協議会」が認定する大豆加工品のブランド、「大豆工房」レーベルからいくつかの商品が販売されており、「上総雨城豆腐プリン」もそのひとつ。

上総雨城豆腐プリン各種
白いほうが絹ごしタイプ、黄色いほうが木綿タイプ。どちらも一個150円
「“伝説の甘さ”と評される、タマホマレの風味と味をプリンにどれだけ残せるか。それがいちばんのテーマでした」と平野さんは続けて語ります。
 素材の豆腐には「大豆工房」に参加している山田食品の「みつば豆腐」。「大豆ではなく豆腐を材料に使っているから、豆腐に力がないと成立しないんです」という平野さんの高い要望にも応えられる力強い味をもった豆腐です。

気になるプリンの仕上がりはいわゆるなめらか系。“しっかり豆腐”の風味はすれども、舌触りは“やっぱりプリン”のそれです。ちなみに甘さは控えめ。今までにもヘルシー菓子として、豆腐プリンはありましたが、ここまで素材の持ち味を出すのには相当高い技術と繊細な処理が必要なはずです。

ご主人の平野さん
常に研究を忘れない平野さん。
 これほどまでに、地元食材への情熱を持つ、平野さんですが、君津の「イタリヤ」で働くようになったきっかけは、意外なところにありました。
 「君津で、各ジャンルの一流店から優秀な料理人を集めたレストランを立ち上げる」という誘いが平野さんに届いたのは、後に「バブル」と呼ばれる景気が良かった時代の1981年。名門「銀座風月堂」に勤めていた平野さんにとって悪い話ではありませんでしたが、そのレストラン本体は開店から5年で閉店。
その他の大豆工房商品
その他の「大豆工房」商品も扱います。
 しかしそこからパティスリー部門を独立経営し、現在までにいたるというのが、ITARIYAと平野さんの数奇な歴史です。

 そんな苦労と努力積み重ねを、表に出すことなく歴史を語る口調には、激動を乗り切ってきた冷静な洞察力と、続けることへの意思の強さを感じます。
 今後も地元の食材を使った、新しい商品を産み出していきたいという平野さん。「コツコツとやってます」という言葉の中にも、しっかりと次の構想の予感がしました。
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ITARIYAITARIYA
住所:君津市西坂田2-5-18
TEL:0439-54-7611
― お楽しみは井戸端会議。
        “お持ち帰り”は名水だけじゃありません
八百屋の名物おばちゃん
「山菜に筍、春の野菜はおいしいよ」とおばちゃん。
 「ほら、ほら、ちょっと休んでお茶飲んでいきなよ」満面の笑顔で元気を振りまきながら、水を汲みにきたお客さんに声を掛けているのが“おばちゃん”。時折、その奥から絶妙なツッコミで笑いをさらっていくのが“おいちゃん”。

 久留里の市街地を、鴨川方面に進んだ国道沿いの町外れ、こんこんと湧き出る「雨城庵の井戸」、の脇に露天の八百屋、通称「おばちゃんの店」はあります。店先には筍、ワラビにセリ、自家製の漬物に、産みたて卵、・・・様々な春の産品が並び、久留里の大地の恵みが一堂に会したような賑わいです。

雨城庵の井戸
水汲みの人で賑わいます。
 この「雨城庵の井戸」は、数ある久留里の自噴井戸の中でも、久留里城の殿様がお茶を立てるために、使った水として名が知られ、横浜方面や、埼玉からもわざわざ汲みにくる人がいる程だとか。「おばちゃんとおいちゃん」は、この井戸の管理をしながら、地元の野菜などを販売しています。

この方がおいちゃん
この方が“おいちゃん”。
 この“おばちゃん”名前を尋ねても「いいよぅ、おばちゃんで」というのでその通りにさせていただきます。と、いうことでお店のスタッフを紹介すると、おそらく店長的立場の「おばちゃん」と、たぶん実質的経営者の「おいちゃん」ということになろうかと思われます。

 “おばちゃん”は気軽にお客さんに声を掛けて、ベンチに座らせると、すかさず名水で入れたお茶をサービスして会話に誘います。そしてなんやかんやと、ついつい話しこむその風景は、まさに井戸端会議。
 どこまでも明るい二人の掛け合いを見ているだけでも、なんだか元気な気分になってきます。

特製味噌鯛焼き
“おいちゃん”特製のねぎ味噌鯛焼き。
 さて、他にも様々な品物を取り揃える「おばちゃんの店」ですが、取材班のお気に入りは、おいちゃんが焼く「ねぎ味噌の鯛焼き」。味噌にはちみつと砂糖とねぎ、それから「あとはないしょ」という“企業秘密”の調味料が入った味噌餡は、どこか懐かしい、やわらかい甘さです。
 鯛焼きの皮には、「その日売れ残った卵をじゃんじゃん使っちゃう」という贅沢なリサイクル戦略のおかげで、カリっと香ばしいリッチな触感。これはもしかすると、街道沿いの隠れた名作かもしれません。

 常に季節の新鮮な産品を揃え、二人三脚で切り盛りする、元気一杯の「おばちゃんの店」。ここでもらえるものは、美味しい水だけではないようです。
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おばちゃんの店おばちゃんの店
TEL/FAX:0470-46-4459
営業時間:9:30頃〜17:00頃まで
休日:水曜日と雨の日
問い合わせ:090-6124-9159
アクセス:久留里市街の中心からから国道410号線を鴨川方面に向かい、約600メートル「雨城庵の井戸」脇
(このページの記事は、2003年4月に取材・掲載されたものです。)
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